SPAWN is co-created by Todd McFarlane under Image Comics,Inc.

Death of the Soldier

この世界には天界と魔界、そして人類が住む地球が存在している。
だがそれぞれの本当の姿は我々が知っているものとは違っていた。
天界と魔界はやがて最終戦争(アルマゲドン)の時が来ることを知っていた。
そのために、それぞれの陣営では戦力となる兵士を集めることに余念がなかった。人間は善行を積むことで天界に迎え入れられ、また悪に手を染めた者は魔界に堕ちると信じていた。だが本当は善悪で分けられるのではなかった。兵士として人間が転生する条件は強い魂であること。天界と魔界がより強い魂を奪い合うなかでは、悪行を重ねた者が天界で兵士として転生することも当たり前であった。

ここに一人の人間が死を迎えた。

Albert Francis Simmons. アル・シモンズ

だが、彼の死は偶然のものではなかった。上司として信じていたJason Wynnに裏切られ、Wynnが指示した暗殺命令に従ったチームメイトによってボツワナでのミッション遂行の途中で殺害されたのだった。
Al simmonsは始めから魔界へと堕ちることが決まっていた。
それが魔界第八階層の王MalebolgiaとJason Wynnとの間で交わされた契約の条件だったからだ。
Al Simmonsは炎で身体が焼き焦がれ、遠のく意識のなかで一つの思いを抱いていた。
「Wandaに会いたい」
その思いを抱くことが後にどういう結果に結びつくか、知る由もなかった。

Al Simmonsはピッツバーグの郊外に住む中流階級のアフリカ系アメリカ人夫婦の次男として産まれた。彼は兄がMarc, 弟がRichardの三人兄弟である。

(ミシガン州のデトロイトで生まれたという説もある。父は船乗りで、祖父はGunslinger Spawnとして知られるヘルスポーンであるとも言われている。)

彼は他の子供と同じように成長し、学校に行き、幾つかのスポーツに汗を流した。彼が生まれ持つ素質は素晴らしく、時に他の子供たちのなかで群を抜く存在へと導いた。彼は子供の頃から勝つことに駆り立てられていて、全てのことに勝利することを目指していた。
Al Simmonsはハイスクール、そして大学を卒業していったが、彼の類稀なる才能の情報はCentral Intelligence Agency(CIA)の元にも届いており、卒業を機にスカウトされた。彼が持つ優れた戦闘能力は彼を昇進へと導き、大統領の警護を任されるスーパー・エリートの地位に就くまでとなった。
だが、それはAl Simmonsの公の場での活躍であり、彼が能力を最も発揮したのは秘密部隊に所属してからであった。

(また彼は米国海兵隊に所属し、知的で戦闘能力の高さが発揮され中佐にまで昇進した後に、米国のシークレット・サービスに活躍の場を移し、そこでの功績が認められてCIAに入所したとも言われている。)


アメリカ合衆国ではCIA以外にも、国内外の難事件に対処すべくYOUNGBLOODというスーパー・チームを結成していた。だが、事件の内容によっては超法規的な活動が必要とされ、秘密裏に謀略活動を行う部隊KNIGHTSTRIKEが存在した。そこで指揮を執っていたのがJason Broderick Wynnであった。KNIGHTSTRIKEが遂行する極秘任務は時に合衆国政府に敵対する要人の暗殺にも及んだ。彼らが遂行する任務は、善悪を判断することに気を取られることで死に至ることもありうる危険なものであった。
Al SimmonsもKNIGHTSTRIKEのメンバーの一人であり、任務遂行のためには一般人を殺害することも躊躇することはなかった。彼らはチームであったが、彼らを結び付けているのは任務遂行のみであった。彼らにとっては命令であればチームメイトであるAl Simmonsを殺害することなど他愛もないことだった。

Jason Wynnの極秘活動は合衆国政府のために行なわれていたが、やがて彼の影響力はCIA、NSA、NRC、NSCなどに及ぶようになり、彼は権力欲へと取りつかれていった。彼の元にはあらゆる情報が報告されていた。魔界に存在するNecroplasmの存在を知ったのも決して偶然ではなかった。Jason WynnはNecroplasmを入手するために魔王Malebolgiaと契約を結ぶ。彼が差し出したものは自分の忠実な部下の魂、Al Simmonsの強靭な魂だった。



Hellspawn

魔界は幾層にも別れているが、魔界第八階層の王 マレボルギア(Malebolgia)はやがて来たる天界との最終戦争に向けて、兵力を高めていた。彼が強靭な魂を元に転生させるのがHellspawnである。その数は既に80億を超えて存在する。様々な年代からヘルスポーンは転生されており、中世の騎士の姿のヘルスポーンなども存在する。転生に必要とする魂は人間だけとは限らず、獣などのヘルスポーンも存在する。ヘルスポーンは魔界の者たちを統べる将官であるが、元々の魔界の住人にとっては「人間風情」が自分達の指揮官になることには快く思っていない。フレアビック5兄弟の長兄 ViolatorはマレボルギアからAl:Spawnの監視役を命じられるが、決して納得しているわけではない。だが、魔王の命令には逆らえないでいた。そんな絶対的な存在である魔王マレボルギアではあるが、彼をして逆らえないボスがいる。それがLuciferである。堕天使と同じ名を持つLuciferはスーツを着込んだ隻眼の男性の姿をしているが、詳しいことは判らない。魔界の最上層に自分の部屋を持ち、扉の向こう側は天界に繋がっていると言われている。



ヘルスポーンの肉体は魔界に存在する、黄緑色をしたネクロプラズムを基に実体化している。この黄緑色はヘルスポーンの瞳の色であり、またヘルスポーンが放つ魔力の色でもある。ヘルスポーンが転生する際には生前の姿を模した場合が多いが、Al Simmonsの場合は死因である焼死によって全身が焼き爛れた姿のまま、転生することとなった。
ヘルスポーンとして転生したAl Simmonsの身体には生体コスチュームが覆っている。真紅のマント、チェーンなどもこの生体コスチュームが変化したものであり、宿り主を守るために防御や攻撃を行うこともある。特にAl:Spawnが纏っている生体コスチュームはかなり優秀なもので、K第7家の娘、リーサという名を持っている。またAl:Spawnの胸の部分に白いラインが描かれているが、その形はアルファベットのMの字になっており、これは魔王マレボルギアの頭文字を取ったものと言われている。
魔界のヘルスポーンに対して天界では闘天使Angelが兵力として転生されている。 ヘルスポーンの顔が黒地に白の隈取をしているのに対してAngelは肌色に黒の隈取をしていて、ネガとポジの関係になっている
転生においてAl Simmonsは魔王マレボルギアとの間に契約が交わしたが、その内容は一方的であった。まずはヘルスポーンとして転生されたこと、身体は焼け爛れたままであったこと、そして転生したのが彼の死から5年が経過した現在であることが挙げられる。全ては魔王マレボルギアの皮肉めいた気まぐれによるものである。だが、魔王マレボルギアとJason Wynnの密約があったにせよ、Al Simmonsがヘルスポーンとして転生されたのは、彼が持つ類稀なる戦闘能力が認められてのものだった。

Hell

魔界にある階層は10層とも12層とも言われている。
第1魔界には各層につながる塔が立っている。
第2魔界は極寒の世界で、氷河エビが人間をコートにして着込んでいる。
第3魔界のソウル・グルメは彷徨い歩く人間をクリスタルに封じ込めて集めている。集められた人間は細切れにされミートパイの材料にされている。
第4魔界では人間をパーツにして自動車を組み立てているといわれている
第5魔界のクチューガン・メタビュースは魂を集めて麻薬を作っている。
第6魔界のソウル・ラッパーは魂をペットにしている。ある時は軽業師、またある時は歌手とソウル・ラッパーのその時の好みで集められる魂が違っている。
第7魔界はエレバスと呼ばれており、誰も覗いたことがないと言われている。
第10魔界のプライム・モーナッドは魂を使ってコンピューターの回路を作っている。
"Glory/Angela:Angels in Hell"においてGloryとAngelaはLuciferと出会う。彼は自分を大天使の一人で魔界の創造主と告げた。
魔界の第10階層に自分の部屋を持ち、そこにある一つの扉は天界の都エリシウム(Elysium)へと続いている。
また"Curse of the Spawn"において、ダニエル・エランゾ(Daniel Llanso)をヘルスポーンへと転生させたのは第12階層の王フレゲッソニア(Phlegethonyarre)である。
"Violator vs. Badrck"においてはYOUNGBLOODの基地にある扉を開けると魔界が広がっていた。
なお、SPAWN #10においてAl:Spawnが第7階層に入ってみると、後ろ手に縛られて頭に袋に覆われた人々と牢獄から救いの手を差し伸べるHERO達がいた。



Heaven

天界には天使達の故郷であるエリシウム(Elysium)があり、メタトロン(Matatron)が統治していると言われている。全体が硝子状のもので創られており、光が満ち溢れている。33,300人もの天使が暮す拠点である。天使達は女性の姿をしているが、地球の軌道上に存在するAngel Stationには男性の姿をしたクルーが任務に就いている。(このステーションは地球から極秘に監視されており、The X-52 Stationと呼ばれている)
統治者メタトロンは天使達の元に直接出向き、指示を与えたりするが彼女もまた何者かに使えている身である。SPAWN #32ではメアリ(Mary)と呼ばれる老婦人が登場するが、かなり地位の高い人物として描かれている。また、Luciferと出会ったAngelaは彼に対して「My lord」と呼び、敬意を現している。
エリシウムには普通の女性の姿をした者たちもおり、カリンドラは弁護士の仕事をしている。また、地球のラット・シティ「9 East 48th St.」の住所にある建物にはガブリエルやラファエルなどの地球担当ディレクターを始めとした天界の者が女性の姿をして務めている。(SPAWN #9にてAngelaがこの建物に訪れた際には受付に男性がいた。)

長い連載のなかではいろいろと食い違いも起きているが、細かいことは気にせずSPAWNの世界を楽しみたい。



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