―アメリカン・コミックスの楽しみ方-

アメリカンコミックスの楽しみ方はさまざまあります。幾つか紹介していきます。

-1つのコミックスを買い続けること-

日本の漫画というのは読者に対して非常に誠実だと思います。最初に決めたキャラクターの設定をそう簡単に変えることはありません。新しい展開を始めるにもきちんと伏線を張り、きちんと回収してくれます。
なかには伏線を張り過ぎて回収しきれない作品もありますが、それはまた違った楽しみ方があります。
最近の作品では「鋼の錬金術師」は非常に作りこまれていて、しかも人気が絶頂期であっても終了する時にはきちんは話に結末をつけてくれました。
じゃあ、アメリカン・コミックスでも同じ楽しみ方ができるのではないかと普通は思います。DC COMICSにしろ、MARVEL COMICSにしろ大人気のキャラクターが存在するのですから。 ところが、アメリカン・コミックスでは意外とこれが難しいのです。というのも、アメリカン・コミックスは出版会社が絶対的な力を持っていて、販売部数が全ての決定権を持ちます。新しく始まったコミックスも人気がなければ簡単に連載を中止してしまいます。またストーリーがクロス・オーバーなどでいろんなコミックスに渡ってしまうのも問題のひとつです。後から追いかけようにも最終ページの「NEXT TO ?????」に振り回されるのが関の山。また人気回復のためにはリランチ、ALL-NEW ALL-DIFFERENT、REBIRTHといった形でコミックスの設定が再編成されて、また1巻から始め直すコミックスが多いのです。そういうなかで、SPAWNが260巻以上続いていることは稀有に等しいと言えます。アメリカン・コミックスではなかなか「こち亀」のような作品には出会えないのです。


-キャラクター追い-

これも非常に難しいのですが、やはりSPAWNでは「SPAWNが登場したコミックスは一コマだけのものでも集める」というのが可能です。(可能と言いましたが、とんでもない苦労が待ち構えています・・笑) 今はANGELAも同じような集め方をしています。MARVEL COMICSのなかでこれを続けるのは至難の業です。今のところ、集めきれていますが。

-表紙買い-



最初の作品は1990年8月にMARVEL COMICSから出版された"Spider-man #1"です。
Todd McFarlaneが描いたもので、彼はSpider-man作品では大人気のPencilerでした。
彼はこの2年後にImage Comicsを創設してSPAWNの連載を開始するわけですが・・・

Todd McFarlaneは1993年5月に発売された"SPAWN #8 "の表紙で同じ構図のSPAWNを描きます。
ちょうど連載開始1周年の発売ということもあったのでしょうか。この発売によってこの構図は定番となりました。

それから随分、時は経ちますが2006年3月に同じくImage Comicsの"ANT vol.2"という作品の5巻でMario Gullyという作画家が同じ構図でのAntを表紙で描いています。これが発売された時には「おっ、この構図は・・・!」という気持ちになりました。

2013年5月には"SPAWN #231"にてセルフカバーも出版されました。

2016年12月に"Deadpool:Back in black"の5巻が発売されますがまた同じ構図で出版されます。Salvador Espinという作画家が描いた ものですが、表紙に書かれている彼のサインの上には「With apologias to T.McFarlane!」という書き込みがあります。

最後はThe Amazing Spider-Man The complete clone saga epic book 3 店頭に並んでいたものですぐ購入しました。
どうですか、アメコミを沢山買い込んでいなくても、この5作品を額に入れて壁に飾っているとちょっとオシャレですよね。

これもどうでしょう。



2012年7月に出版された"SPAWN #221"から翌年の"SPAWN #230"までの間、有名なコミックスの表紙のオマージュが行われました。 1つ、紹介すると"SPAWN #224"では"BATMAN THE DARK KNIGHT RETURNS #2"の表紙がオマージュになっています。

こんな感じで表紙が好きで購入するというのもありだと思います。

-記念号集め-



SPAWNは長い連載となっているので、それぞれ記念号が発売されてきました。まずは第1巻、続けて50巻、100巻、150巻、20周年を祝う220巻、250巻です。 これもいいでしょ! 3~4年に一度、記念号が発売されるんです。その時期が来ると楽しみですね。どんな表紙が出版されるかは意外と事前には発表されません。


-バリアントカバー集め-




記念号の発売の際に多いのですが、アメリカンコミックスでは表紙違いのバリアントカバーが発売されます。これを全部集めるのは楽しいです。予約をしたもの以外のカバーが発売された際にはかなりビビります。あと、アメリカンコミックスでは販売が好調で重版する場合がありますが、こういう場合にもバリアントカバーとなって重版されることがあります。これは予期せぬ代物で、ほとんどは後から買い集めることが多いです。ちなみに重版された際に全く構図は同じものでも色合いが違う場合があります。有名なものとしては"SPAWN #1"です。この作品は爆発的なヒットとなり、かなりの部数が重版されました。この際に微妙な色違いが発生しています。現在では1D版、1M版、1N版が市場に残っています。1M版に関してはミスプリント物。フィギュアでも取沙汰されたイレギュラー品です。流石にこれは集めていません。

-BLACK & WHITE集め-


アメリカンコミックスの表紙ではまだ色を塗っていない表紙のことをBLACK & WHITEと呼んでいます。例に挙げたのは"SPAWN #200"でのBLACK & WHITEです。
こういうのを集めるのもいいですね。ところで・・・

究極とも言えるのがこの作品。"SPAWN #1"のBLACK & WHITEです。これは色を塗っていないだけではなく、構図も変わっています。ところがこれは有名な作品で、1997年9月に発売されたBLACK & WHITE。これが凄い高値で取引されています。私が持っているのは$200でした。元の値段から考えると何十倍ですね。


他にもいろいろ楽しみ方があると思います。今は翻訳本がかなり出版されているので「英語は・・・」という人も楽しめると思います。
特にアメコミを実写化した映画がヒットしていますので、映画からアメコミの原作へと興味を持ってもらうのもいいですね。

McFarlane Productions,Inc.The Spawn character is (c)1992 Todd McFarlane Productions,Inc. All rights reserved.
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