SPAWN is co-created by Todd McFarlane under Image Comics,Inc.
アクション・フィギュアが空前絶後のブームを遂げるなか、「SPAWN」の名は米国はもとより日本を始め諸外国に知れ渡ることとなりました。その原点とも言えるのがアメリカンコミックス、通称アメコミの「SPAWN」という作品です。アメコミ業界においても「SPAWN」は発売当初より大ヒット作品となりました。メインタイトルである「SPAWN」が発売して以来、既に四半世紀がすぎようとしていますが、その間にはさまざまなサイド・ストーリー、クロスオーバー、スピンオフ作品が発表されました。ここではそれらの作品について紹介したいと思います。 |
SPAWNが初めて世に出たのはGladstone社から発売されたビデオに封入されていたコミックスでした。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Gladstone社から発売されたビデオのタイトルは"Todd McFarlane's Comic Book 'Facts and Illusions'" SPAWNの作者であるTodd McFarlaneの軌跡を紹介する内容となっている。 1992 San Diego Comic Conventionにて発売。 ビデオには4 X 7.5 inchesという小さなサイズの本が封入されており、 SPAWN #1の紹介とMalibu Sun #13の記事が掲載されている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1992年5月より連載される「SPAWN」の紹介記事を掲載している。 この本が製作されている時点ではSPAWNのロゴはまだ決定していなかったのか、 お馴染みのロゴは使用されていない。また表紙のSpawnの目が赤色になっている。 所有しているものは開封済で、経年でやや黄変してしまっている。 アメリカンコミックスでは出版会社がキャラクターの版権を持つことが悪習として根付いているが、 Todd McFarlaneが仲間たちと立ち上げたImage Comicsはクリエイターが版権を持つことを 前提として設立された会社でした。 但しまだ実績のないコミックス販売会社でしたので、Malibu Comicsの傘下に入ることで出版することが出来たと言えます。SPAWNの初期作品にはMalibu Comicsの クレジットが記載されております。 実はMalibu ComicsはMarvel Comics傘下のコミックス販売会社です。Todd McFarlaneは元々Marvel Comicsで活躍したアーティストの一人で、 そこから独立してImage Comicsを立ち上げたのですが、自社のコミックスを販売する際には背に腹は代えられず、古巣のコミックス販売会社の力を借りる必要があったわけです。 Image Comicsの代表作の一つであるSPAWN #1こそ記録的なヒット作品となり、その後のImage Comicsの活躍を示すものとなりましたが、このような裏話があったのも事実です。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
"Spawn"関係の書籍ではメイン・タイトルとなるコミックス。 主人公はアフリカ系アメリカ人であるAlbert Francis Simmons、通称 Al Simmons(アル・シモンズ) 彼は所属するCIAの中でもかなり秘密裏な部隊で暗躍する諜報部員であり、時には暗殺といったミッションをも遂行する兵士であった。やがて訪れた死を境に彼の人生は大きく揺れ動いていった。 所謂、ダークヒーロー作品であり「正義の味方」とは全く異なる人物を主人公にすることで物語に深みを与えている。#1~#100において第一部と言えるストーリーが展開し、その後を描いた#101~#164にて一旦、物語は終焉を迎え"The End"のクレジットが打たれた。主人公のAl Simmonsが#185にて自殺をするといった展開を見せるなか、その後は新たな主人公 Jim Downingによるストーリーが描かれている。 また#250の前に発売された"Spawn Resurrection"にてAl Simmonsが復活を果たし、現在に至っている。あくまでも"Spawn"は主人公であるアル・シモンズの物語を主軸としており、脇役といったキャラクターについてはMini-Series、Spin-offといった作品で描かれている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Spawn関連書籍では初の外伝。英国のアラン・ムーア(Alan Moore)がストーリーを担当した。鬼才と称されるアラン・ムーアらしく単なるサイド・ストーリーには終わらず、Violatorの魅力を十分に描ききった。アメリカンコミックスは子供向けと片付けられがちなジャンルであるが、アラン・ムーアはそこに成熟した文学的な感覚を持ち込んだとして評価されている。 SPAWN #15のラストでクラウンはゴミくずとなった新聞紙にトニー・トゥイストの記事を目にして「そろそろトニー・トゥイストとご対面といくか」と呟いていたが、どうやら本当に行ったらしい。クラウンはトニーの部下にす巻きにされて海に投げ入れられようとされるシーンから始まる。 Spawnにおいてはsupervillainであり、Spawn #2から登場しているViolator。その個性は特に際立っており、Spawnだけに留まらず、"Violator vs Badrok"といった作品にも出版された。Al:Spawnと諍いを起こしたために、第八魔界の王マルボレギアによって道化師のようなクラウンの姿から変身できなくされたViolator。5兄弟のなかで長兄である彼の日頃の行いのせいか、ここぞとばかりに兄弟たちから甚振られる。そんな彼が何故、フレビアック族の姿に戻れたのか。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Angelaは凍てつく惑星サンダルフォン5で、自分の10万回目の誕生日を祝うためにサンダルフォン・ドラゴンの狩りを 楽しんでいた。だが、そこへ駆けつけた天使スリエル率いる天使軍団に取り囲まれて逮捕されてしまう。 Spawn #9にて初登場したAngela。天界の天使でありAl:Spawnの好敵手であったがその後、奇妙な共闘関係となり、重要な場面に何度も登場している。Neil Gaimanがストーリーを担当、Greg Cappulloが作画を担当した本作ではAl:SpawnとAngelaの関係が深まるきっかけが描かれている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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AngelaがAl:Spawnがいる裏路地に現れる。 「私が退治したHellspawnの数は30は下らないんだ。でもあんただけは退治できなかった、それが何故なのか、分からないんだ。」 そしてAngelaは昔話として、かつて退治したPirate Spawnとの闘いについて話をする。 最後にAngelaは「今度は私が話を聞く番ね。」と告げ、姿を消した。 Beau Smithがストーリーを、Brad Gorbyが作画を担当した。"Angela Special"とも呼ばれている。 Angelaが表紙となっているリーフはSpawn #32を注文した小売店が入手できるもので、現在でも高値で取引されている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
町では謎の殺人事件が発生していた。「吸血鬼」が犯人とされていた事件だったが、テレビではモンスターハンターを名乗るジョン・サンスカーがAl:Spawnの姿を紹介し、真犯人であると告げていた。Al:Spawnは最近気を失うことがあり、自分の仕業とは言い切れなかった。Al:Spawnは自分の身を包む生体コスチュームを事件の元凶と考え、脱ぎ捨てて封印してしまう。 吸血鬼サンスカーとの闘いを描くとともにAl:Spawnの生体コスチュームについて紹介された本作。Al:Spawnの生体コスチュームはK第7家の娘リーサという名を持ち、主人の身を守ることこそ彼女の生き甲斐であった。ストーリーはアラン・ムーア(Alan Moore)が担当し、Al:Spawnのトレードマークである巨大な赤いマントとコスチュームについてを描き切った。時期としてはSpawn #32と#33の間に起きた事件と位置付けられている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Al:Spawnはワイルド・キャッツのメンバー二人から襲撃されるが、これを撃退してワイルド・キャッツ本部へと乗り込むが、先ほどの二人は未来から来たメンバーであることを知る。2016年の未来ではAl:Spawnが悪魔として覚醒を果たし、世界を牛耳っていた。そのため歴史を変えるべく過去のAl:Spawnを襲ったのだった。 Spawnはimage comicsの他の作品にもクロスオーバーとして登場しているが、"Spawn"の名を冠するクロスオーバー作品として別に紹介する。ジム・リーが創設したWildstorm社との共同出版作品。またアラン・ムーア(Alan Moore)がストーリーを担当し、Spawnの物語に深みを与えるとともにワイルド・キャッツの魅力も見事に描いている。未来から来た2代目ゼロットの正体に秘密が隠されている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
偶然にもWitchbladeを装備することとなったカタリナは、謎の仮面騎士(メディーバル・スポーン)とともに世界の門を通って妖精界の危機を救うために闘うこととなる。 太古から女傑の元に現れ、鍛え上げられてきた剣 Witchblade。現在ではニューヨーク市警の殺人課に勤務するサラ・ぺッチーニが持ち主となっている。彼女を主人公としたWITCHBLADEはTop cow prodactinsの看板作品であり、現在も連載している。Todd McFarlaneの盟友でもあるMarc Silvestriが描いているWITCHBLADEは女性が主人公。アメリカンコミックスの世界では女性のキャラクターは昔より存在するが、実は女性が主人公として登場する作品はとても少ない。WITCHBLADEはMarc Silvestriの作品のクロスオーバーである「サイブレード/シ」に初めて登場したが、Marcは手応えを感じてレギュラー・シリーズを創刊することとした。 Hellspawnとなって蘇った騎士はかつてカタリナと恋仲であったことを知るが・・・ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中世の時代。北欧にはヴァイキングの名で知られる武装船団(海賊)がいた。そして彼らのなかにも強靭な魂を持ち合わせ、不幸にしてHellspawnとした転生を果たした人物がいた・・・ Overstreet's Fan magazineの#16、#17、#18に掲載された作品。リーフではAug 1996より発売された。時期としてはアクションフィギュアが大ブームとなり、series4のExo-Skeleton spawnのバージョン違いが乱発していた時。7月にはseries 5が発売され、Viking-spawnが登場していた。Spawnでは北欧を舞台としたspin-off作品が幾つか存在している。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「世界が分裂する!」 Shadowhawkが見つめるなか、何かの予兆を感じた一人の男が叫んでいた。 一方、ビーチではBadrockが車を持ち上げて、女性たちに力自慢をしていた。そこへバスが暴走してくる。Badrockがバスを受け止めると、乗客の女性が現れた。「君が運転手か?」 Badrockが問いかけると女性は「運転手がいたけど、何かに導かれるように姿を消したの」と告げる。 アルゼンチンではWetworksのメンバーが吸血鬼のアジトでミッションを遂行していた。 image comicsのキャラクターたちがそれぞれ異変を感じるなか、世界が六つに分裂し始めた。 image comicsのクロスオーバー作品。Al:Spawnも登場している。この作品以前ではImage Universeという世界感があり、それぞれのコミック・タイトルは同じ世界のなかに存在していたが、本編をもってWildC.A.T.S, Stormwatch, Gen¹³, WetworksといったWildstorm UniverseはImage Universeから分裂することとなった。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Spawn本編ではいろいろなキャラクターが登場するが、あくまでもAl:Spawnが主人公として描かれている。そういったサブ・キャラクターについての物語を描く作品として登場したのが本編。SPAWNでは第二のシリーズ作品となる。まずは魔が支配する未来の世界でHellspawnとして転生したDaniel Llansoの4部作を始めとしてOvert-kill、Angela、Sam & Twitchなどのキャラクターの物語も描かれている。
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Spawnの連載開始から4年が経ち、#50という節目を迎えたところで発売されたキャラクターブック。 それぞれのキャラクターについてかなり事細かく記載されている。掲載されているキャラクターは以下の通り。 Spawn/Al Simmons、Clown/Violator、Wanda&Cyan、Terry Fitzgerald、Jason Wynn、Angela、Cogliostro、Malebolgia、Tony Twist、Overtkill、Sam、Twitch、Medieval Spawn、Redeemer、The Curse、Cygor、Tifany、Tremor、Granny Blake、Bobby&Bootsy | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
戦場にて処刑されそうになった女性。必死に抵抗するが、銃で撃ち殺されてしまった。彼女が流した血が地面に染み込んでいくと、一人のHellspawnが復活をする。Vlad Tepes(ウラド王)、かつてはワルシャワにてドラキュラ王として君臨していた彼が転生した姿だった。時は15世紀、ウラド王はトルコ軍の進攻からルーマニアを救うべく勇敢に戦っていたが、セルビア軍の軍事的指導者であるKazakla bey(カザクラ ベイ)によって殺害される。しかしウラド王はHellspawnとして転生し、再び勝利を重ねていった。だが彼が行った残忍な治世に対して民衆が反発し、カザクラ ベイと手を組んで再度ウラド王を抹殺するのであった。 現在に蘇ったウラド王(Vlad-Hellspawn)は仇敵カザクラ ベイの魂が一人の女性 Abbie Carfaxとして転生していることを知る。ウラド王の心は復讐へと憑り付かれていく。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
映画「MARS ATTACKS!」とのコラボ作品。 火星人の進攻に対して地球を守るため、image comicsのキャラクターたちが立ち上がった。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
映画「SPAWN THE MOVIE(1997)」のコミカライズ作品。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1996年に発売されたキャラクターブック SPAWN BIBLEの再版。 掲載されているキャラクターは以下の通り。 Spawn/Al Simmons、Clown/Violator、Wanda&Cyan、Terry Fitzgerald、Jason Wynn、Angela、Cogliostro、Malebolgia、Tony Twist、Overtkill、Sam、Twitch、Medieval Spawn、Redeemer、The Curse、Cygor、Tifany、Granny Blake 今回はTremor、Bobby&Bootsyの紹介が削除された。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
日が昇り、鳥が歌を囀る朝。いつもと同じような朝を迎えたが、何かが違う。 レトロな建物が立ち並ぶなか、自動車が空を飛んでいた。 その頃、The Maxxは昨日とは何かが違うことに気が付いていた。 地下道を歩いていたThe Maxxはそこで"The King"と名乗る人物と出会う。 image comicsのクロスオーバー作品。Majestic、The Maxx、Savage Dragon、Shadowhawk、 Spawn、Witchbladeという当時のimage comicsの代表的な6名が登場する。物語はおとぎ話的で、 非現実的な出来事が次から次へと起こるが、結末を知れば納得いくもの。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
何も記憶がなく、何も考えることが出来ない。ただ痛みと空腹だけが感じられる。 月夜に立ち尽くすその姿は、神々しくもあり、また禍々しくもあった。 彼は眠りを妨げた三人の墓泥棒たちを一閃のもとに抹殺した。 蘇った闇の騎士(Spawn the black knight)が求めていたものはただ一つ。 自分は誰なのか? 一方、三人の墓泥棒はライバレン男爵(Baron Rivalen)に命じられて、ある"宝"を探すために 雇われていたのだった。ライバレン男爵は部下である騎士デュブラン(Guy Dublanc)に何が起きたのか、 真相を探るように命じた。 デュブランが手かがりを得ようと酒場を訪ねた矢先、闇の騎士が現れた。デュブランは闇の騎士によって顔に 深い傷を負っただけではなく、愛馬を闇の騎士に奪われてしまう。 一方、闇の騎士は馬に乗りながら、何かに導かれるように古城へと向かう。すると、辿り着いた闇の騎士を出迎えるように謎の男が現れた。"Welcome home Hellspawn" 「お帰り、ヘルスポーン」 12世紀の時代にHellspawnとして蘇ったLord Covenantの数奇な運命を描いた作品。 十字軍の兵士として遠征したCoveantだったが、不幸にも故郷より遥か彼方の地で命を失う。 やがて彼を待ち受けていたのはBlack knightとしての転生であった。 カリオストロ卿といったキャラクターも登場するこの作品は中世の時代を舞台としたHellspawnの物語で、 メイン・タイトルであるSpawnにも通じる「自分探し」の物語でもある。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
墓地に寄り添うように建つ薄暗い建物。そこに住む人々には何かしらの 秘密を抱えていた。呪われた暗い秘密を抱えた人々は自らの罪の念に 明け暮れる日々を過ごしていた。間断のない苦しみに責め苛まれる地獄に 陥りながらも社会から逃げ隠れるようにそこに生活を見出していた。 そんな彼らの気付かぬところから見つめる者、血と影の守護者。 その存在は彼らの何を知り、どのように関わっていくのか・・・ Spawn #86にて住処である路地裏から立ち去ったAl:Spawn。 この時期に、主人公を市井の人々とし、Al:Spawnはそれらを見つめる傍観者といった立場での 作品が発表されている。 作画を担当したのはAshley Wood。代表作"Hellspawn"を始めとしてこの時期の作品で 作画を担当し、Greg Capulloに継ぐ第二のアーティストとして活躍した。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
誰もが心に闇を持っている。そしてそれは彼らを更なる闇へと導いていく。 Al:Spawnが登場する作品ではあるが、主人公は市井に住む人々。人々の苦悩や暗部を丁寧に描きつつ Al:Spawnという存在を自然と登場させている。8人の人々とAl:Spawnはどのように関わっていくのか。 出版されたのは"Curse of the Spawn"が終了し、新たに"Spawn the dark age"がスタートした時期と重なる。 本作品では登場人物が語る際に使用する「ふきだし」を無くす試みがなされている。実験的な試みだが、コミックス自体が 闇を抱える人物とAl:Spawnとの関わりを描いていることから内面的な心理描写を上手く表現しているといえる。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
私立探偵であるサム(Sam Burke)とトゥイッチ(Maximilian "Twitch" Williams)の二人は殺人現場に訪れた。 彼らはそこで不思議なものを目にする。切り取られた親指が4本、置かれていた。それが意味するものは まだ不明だった。そして続いて起きたDINERでの殺人事件の現場では耳が4つ並べられていた。 二人は警察署へBarnes警部補を訪ねてみるが、「さっさと片付けろ」と追い返されてしまう。そして更なる 事件が発生する。トゥイッチは目撃者と思われる老婦人に聞き取りをしている最中に不審なトレンチコートの男を目撃するが、追跡の途中で一台の車に邪魔をされてしまう。その車を運転していたのはBarnes警部補だった。 警察の事務所でRoger Afflek刑事が謎の死を遂げた時に呟いた言葉 "Udaku" この言葉が二人を更なる謎へと導く。 サムとトゥイッチが遭遇した数々の難事件を描く作品。 元はと言えば二人はニューヨーク市警の有能な刑事たちであったが、Al:Spawnとの出会いによって彼らの運命は急転する。 Al:Spawnから彼らの上司であるバンクス主任の悪事を綴ったファイルを手にした二人はそれを調べるなかで、警察という組織が持つ闇の部分を知る。バンクスは自分のことを嗅ぎまわっていた二人にクビを通告するが、普段は静かなトゥイッチが怒りをあらわに「お前も道連れだ!」とバンクスに言い返し、二人は警察を退職するのだった。(Spawn #43) スーパーヒーローではなく探偵を主人公としたこの作品はSpawnのキャラクターでは古株であるサムとトゥイッチが持つ 魅力があってこそのもの。一時期、休刊となり「未完で終わるのか?」と心配されていたが、無事に26巻にて完結となった。 ちなみにトゥイッチのフルネームはMaximilion Steven Percival Williams III。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
from "Curse of the Spawn #4" "Curse of the Spawn"にて描かれたスポーン=ダニエル・エランゾの物語の続編。魔界第12階層の王 フレゲッソニア(Phlegethonyarre)に よってHellspawnとして転生したダニエル・エランゾは、宇宙で生き別れた姉マドリッドと地球で再会する。姉はマシューという名の息子と 一緒に地獄と化した地球で生き延びていたのだった。その後、マシューは破壊者アバドンの元で囚われの身となるが、ダニエル・エランゾが アバドンを裏切り、マシューの命を救うのだった。 スポーン=ダニエル・エランゾ(Daniel Llanso)によって破壊者アバドンが壮絶な死を遂げていたが、未だ近未来の地球は魔の司教(アンチ・ホープ) による支配が続いていた。人類は魔物の餌食となり、残り僅かとなっていた。だが彼らはただ滅びるのではなく、最後の闘いに挑むべくニュー バチカンを目指していた。 一方、スポーン=ダニエル・エランゾ(Daniel Llanso)は自殺を図ろうとしたアベルと出会う。魔の司教によって魔界の者にされていたアベルは マシューを破壊者アバドンの元へと連れ去ったことを後悔していた。悔い改めるべく喉元を掻き切ろうとした時、ダニエル・エランゾによって 止められた。そして、アベルはダニエル・エランゾの手元で天使へと生まれ変わったのだった。 最終戦争へと決起した人類の運命は・・・ そしてスポーン=ダニエル・エランゾと天使アベルの存在は人類の運命にどう係わっていくのか。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Spawn/Al simmonsが主人公のサイド・ストーリーであり、「Spawn the undead」に続き三作目のシリーズとなる。 「Spawn Blood and Shadows」「Spawn Blood and Salvation」の二作でArtを担当したAshley Woodに対して、 Todd McFarlaneが活躍の場所を与えた作品ともいえる。 但しAshley Woodが単独でArtを担当したのは9巻までで、10巻はBen Templesmithとの共作。 その後11巻以降はBen TemplesmithがArtを担当している。二人の作風はかなり似通っており、全16巻までの画風は統一感がある。 Ashley Woodはコンピューターによるペインティングをイギリスで最初に導入した前衛的なアーティスト。鉛筆で描いたイラストを 絵具で彩色し、コンピューターに取り込んだのちに加工、それを印刷したものに更に絵具で彩色するといった作業を繰り返し行うことで 独自性のある作画を完成している。Todd McFarlaneはAshley Woodの作画を気に入り、SPAWN関連のコミックスのカバー画などにも起用した。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
サム(Sam Burke)とトゥイッチ(Maximilian "Twitch" Williams)が主人公として描かれている第二作品。 ストーリーは上・中・下段の三段で描かれている。上段はTwitch家の朝の風景から始まるが、舞台はハイスクールに移り一人の女子高生の誘拐事件へと発展する。 中段はTwitchが誰かの葬儀に参列しているシーン。下段では牢獄のようなところにいるTwitchの姿が描かれている。この三段構成は6巻まで続けられた。 「Sam and Twitch」の出版がやや滞っていた時期に連載が始まったこの作品は「Hard-edged Crime Fiction」とのサブ・タイトルがあるように探偵ものとして描かれている。「Hellspawn」が16巻で完結した後に出版されたSpin-off作品。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
カリオストロ卿はキリストが着用したとされる外套の破片を手に入れようとしていた。 またフランス政府も同じく、極秘裏に進められている超人兵士プログラムのためにその破片を捜していた。一方、 カトリック教会では聖なる遺物が悪の手に渡らぬように画策していた。 魔王マレボルギアの無き後、暗躍していたMr.Mammonにとってもその遺物は手に入れたいものであった。 SPAWNとしては珍しくフランスを舞台に、聖なる遺物を巡る争いを描いた短編。 フランス語版の「SPAWN」を出版していたSemicが"French Spawn Project"の一環として製作したオリジナル作品。米国では逆輸入という形で英語版がImage Comicsより出版された。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Al Simmons/Spawn以外にもHellspawnとして転生した者がいた。Al:Spawnの影のような存在の彼もまたこの世に未練を残して死を迎えていたのだった。 日本のマンガ家である所 十三が描いたオリジナル作品。日本での出版の後、英語版が出版された。残念ながら途中で連載が中断したままで終わった未完の作品である。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ジャスミンの香りが漂う季節に、ついにGodslayerがEndra-laに現れた。Endra-laは天国も魔界もなく、数多の神々が住まうこの世界に存在した。 芸術と科学、知識と教養に満ち溢れていたEndra-laの一角には若き君主が統べる都 Indruがあり、老女であるNevaは女神の現世での現身として城に仕えていた。 彼女は長く現身の役目を務めており、水鏡によって映し出される有様を見て、ついにこの国にも神殺しの異名を持つGodslayerが現れることを知った。 やがて決戦の時、Indruの勇敢な兵士たちの応戦も空しくGodslayerによって都は陥落し、Nevaの元にも彼は姿を現した。だが、静かに仮面を脱いだその顔立ちはかつて愛したBairnのものであった。 Nevaはかつて若く美しい女性であり、強く勇敢な男性 Bairnとの間に愛を育んでいた。だが、やがて始まった戦に出陣したBairnは命を落としてしまう。 彼は都に残してきたNevaのことを思い出しながら、闇へと沈んでいった・・・ Image Comicsの作品である「ARIA}でストーリーを担当するBrian Holguinと作画を担当するJay Anacletoが描いた作品。「ARIA」の世界観にも似たファンタジーの世界のなかにHellspawnを描き出した。作中では「spawned」という単語が一度出てくるだけであり、主人公の名前はあくまでもGodslyerで統一されている。 翌年には後日談として「Spawn Godslayer」が連載されるようになった。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
もともとオンライン書籍で公開されていたものを出版したもの。アニメ調の画風になっている。SPAWNの世界観を崩すことなく、且つシンプルに勧善懲悪のストーリーを描くために善であるlightサイドはSpawnX、Redeemer、Omega-spawn、悪であるDarknessサイドはMammon、Overtkill、Cy-Gor、Tiffanyが登場している。ストーリーが複雑になりそうなViolator、Malebolgiaなどは登場せず、SpawnXであるAl Simmonsもワンダと子供たちの良き父親役で登場しているが、やはり本編との差は拭い去れず、アクションフィギュアは2シリーズ発売するも短命な作品に終わった。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前作である「Spawn Godslayer」が好評であったため、2007年4月に発売されたSpawn アクションフィギュア シリーズ31では「Spawn The Marauder(Godslayer)」「Goddess LLyra」が登場する。それに先駆け2007年1月より全8巻の「Spawn Godslayer」が出版された。内容は前作の後日談となっているが、主人公であるBairnとNevaは年老いた男女であったのに対してこの作品では若い男女へと変更されている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Ashley Woodの独特なイラストを背景に、SPAWNの世界について淡々と文章が綴られている。アメコミというよりはノベルに近い作品といえる。小さな吹き出しのなかに凝縮した文章を詰め込むアメリカンコミックスに対して本作品は文章に行数などの制限がなく自由にSPAWNについて語られるものではあるが、Ashley Woodの画風からは文章以外のイマジネーションが浮かんでこないため、正に文章頼りになっている。 Spawn アクションフィギュア シリーズ21 Alternate Realities: Raven Spawnのシルバーバージョンが同梱して発売されるとの発表があって2年ほどかかってやっと発売された作品である。全部で3500冊が限定で発売され、うち3000冊がPewter Raven Spawnを同梱しているとされていたため、開封できずに中身をみることが出来なかった。初期のものはハードカバーであったが、のちにソフトカバーのものも発売された。 ソフトカバーを購入してから初めて読むことができたファンも多かったはず。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
image comicsのクロスオーバー作品。Spawnを始めとしてInvincible、Savage Dragon、Shadowhawk、Witchblade、Shaftといったimage comicsを代表とするキャラクターが集い物語を高めていくかと思われたが、途中で連載は中止となった。悪役として登場するのが未来において暴走してしまったSpawnであるOmega-spawnだが、このキャラクターは「Spawn/Wild cats」で既に登場しているため、新鮮味に欠けていた。image comicsでは長期連載が多いが、各作品の本編に係わるようなクロスオーバーはあまり行なわれていないため、共通の悪役を見い出しにくかったのも影響している。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
サム(Sam Burke)とトゥイッチ(Maximilian "Twitch" Williams)が主人公として描かれている第三作品。 殺した死体に文字を書き込んでいく謎の殺人者を追うストーリーとなっている。2ヶ月で全4巻が発売された短期連載作品。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Marc Simmonsは路地裏にて一人の少女で出会う。名はEthan 胸にYAMという名の白いテンを抱き抱えていた。 雷を怖がり逃げるYAMを追いかける際に、病院の裏手から女性の叫び声を聴いたのだという。彼女が走って逃げていたのはそのせいだった。Marc Simmonsは自分のジャケットをEthanに掛けてあげて、その病院の裏手を確認しにその場を去っていった。Marcがいなくなってすぐに三人組の男がEthanに声をかけてきた。彼女がかけてもらったジャケットを奪い、わずかながらの飲み代を稼ごうとしていた。しかし彼女は不思議な力を使い、三人組の男たちの息の根を止めた。YAMが叫ぶ。「分かっているわ。彼が来たのね。」そういう彼女の前にAl:Spawnが現れた。 Ethanは創造主に仕えし天使だった。彼女はAl:Spawnをある場所に連れていく。そこは魂たちが光へと導く場所と騙されて、闇へと導いていく場所であり、その場所の名はHorsaak-El。Al:Spawnの兄であるMarc Simmonsがそこに彷徨いこんでいると彼女は言った。彼女に導かれるままにAl:SpawnはHorsaak-Elの内部へと入っていった。 テーマは「救い」 EthanのペットであるYAMが実は魔界の使い魔であり、天使であるEthanは闇へと陥っていた。Al:Spawnの力によって浄化された天使は彼に恩賞を与えようとする。 だがAl:Spawnは自分に掛けられた呪いを解くことよりも、何者かに妻と息子を殺されて返すことのできない恨みをかかえたままの兄 Marc Simmonsに救いを与えるように伝える。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Al Simmonsは闇のなかで鎖で縛られていたが、目の前に現れたかつての愛犬から発せられた光によって自由の身となった。 「ついてきたまえ。君は真実を理解する必要がある。」 愛犬は神が姿を変えたものだった。 今、世の中は黒人少年の射殺事件が誰の仕業なのか、論争になっていた。街では政府に対して真実を伝えるように求めるためにデモが行われていた。 デモを鎮圧するため、警官によって群衆のなかにガス弾を打ち込まれると辺りは騒然となった。そしてこの騒ぎに興じて無法者たちが武器を手に取り警官たちに襲いかかった。 ワンダは車に乗っていて立往生していたところでその騒ぎに巻き込まれてしまった。彼女の車のフロントガラスは暴徒によって割られて、火炎瓶が投げ込まれた。 「ワンダはあんたの名を叫んでいた! あんたに救いを求めていたんだ! それを見殺しにしたのか!」 だが、神はこう言う。「お前には二つの選択肢がある。既に起きてしまったことに嘆くか、もしくは何かを変えるため行動を起こすか。彼女の死は変えられない。だが、魂を救うことはできる。」 ワンダとアルとの間には産まれてこれなかった子供がいて、その魂は魔界の者によって盗まれていたのだ。ワンダはこの子供の魂を捜すために地獄にいるのだという。神は地面に突き立てられた剣の前でアルにいう。 「お前が力を欲しいのであれば、この剣が与えてくれる。魔界の者を見つけ、ワンダと子供の魂を見つけるのだ。」 やがて神が姿を消し、アルは剣の前に立ち尽くす。だが、すべきことは分かっていた。 自分自身のための闘士として戻るのではない、彼らのための闘士として戻るのだ。人々の闘士として、彼らの自由な意志のために、そして自分の決意のために。Be great. Be strong. Be SPAWN! | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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以上で現在までのSPAWN関連の書籍の紹介は終了となりますが、今後の出版に応じて追記していきます。 年代毎の出版についてはこちらをどうぞ。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||